こんにちは。haruです。
つい先日、初めて、そして今後もきっと無いであろう瞬間が訪れました。
映画好きにとってはこれ以上嬉しいことは無いんじゃないだろうか…。
そんな瞬間についての日記。
もう二度とないチャンスが巡ってきた日
大好きな映画監督
私はたくさんの映画に触れてきたなかでも、岩井俊二さんという映画監督さんが撮る作品が大好きです。
岩井監督の映画は以前別の記事でも紹介していますが、有名な作品は「スワロウテイル」や「リリイ・シュシュのすべて」、「四月物語」などです。大好きで何度見返したことか…。
この映画に共通しているのが「暗い」、「何処か儚げで寂しい」、「考察が捗る」というポイント。
暗いというのは正直あまり良いイメージは抱かないと思うのですが、「僕の作品でハッピーエンドを迎える作品はほとんどない」と岩井監督自身も仰っています。作品も本当にその通りで、分かりにくい結末だったり、結局何が言いたかったの?と聞きたくなるようなものが多いです。
ですが私はスワロウテイルを観て受けた衝撃が忘れられず、そういった映画を好んで観るようになりました。
そんな岩井監督の最新作「キリエのうた」が昨年2023年の10月13日に、公開されました。
公開記念として、2024年1月11日から世田谷区にある「OFS TOKYO.」というギャラリーでPOP UPショップが開催されることに。岩井監督作品への愛が止まらない私は片道2時間かけてギャラリーまで足を運んできました。
円都市場
ギャラリーは新作にちなんだアイテムの販売のみならず、これまでの作品で使用した衣装や小物、台本や絵コンテなんかも置いてあり、本当に映画の裏側を覗いてきた感覚です。
ギャラリーに足を踏み入れたときからどきどきが止まらなかった私。
台本はこんななんだとか、これは映画のあのシーンで使われていた小物だとか、興奮してきょろきょろしたり内心大声で叫び出したい気持ちでいっぱいでした。
最新作のキリエのうたで、キリエという主人公が実際に着ていた衣装が飾ってありました。
こちらは岩井監督作品の中でも私が1番大好きな「リリイ・シュシュのすべて」のリリイ・シュシュが着用していた衣装です。(作中で割れてしまったCDが置いてあったのには、あまりに手が込んでいて驚きました)
しかし私の大声で叫びたい気持ちはすぐに吹っ飛ぶことになります。
なんと、岩井さんご本人様が遊びに来てらっしゃったのです…。
人って嬉しすぎると、本当に頭真っ白になっちゃうんですね。
たしかにこないだ誕生日だった日にギャラリーに来てたことは知ってたけど…こんなに頻繁に来るものなの?ていうかあれ本物?監督に愛を伝えたい、どうしたらいい?ああぁ…みたいな。(笑)
とりあえず、岩井さんが帰る前に急いで声を掛けなくてはと、買うと決めていたものを手に取り、レジに向かいました。
しかしレジのすぐ隣のカウンターには岩井さんがいます。その事実だけでガチガチになってしまい、そちらを見ることすら出来ない状態でした。
テキパキとお会計を済ませてくれた店員さんに「サインはどれにしてもらいましょうか?」と当たり前のように問われ、またパニック。「Oh…」みたいな声が出たのだけ覚えています。
そんなパニック状態のまま、その時がやって来ました。
なんと声を掛けていいか分からずに「あの…サインを…」としか声を発することが出来なかった私にも、岩井さんは優しく対応してくださいました。
喋ってみると意外と、どこにでもいそうなおじさん(無礼をお許しください)。本当に気さくな方で、「今日はどちらから?」と声を掛けてくださったり、私が持っていたカメラについて触れてくれたりと、ほんわりした時間を過ごすことが出来ました。
直視出来ない。眩しい。
対応して頂いた店員さんからも「シフトたくさん入ってるんですけど、私もお会いするのは初めてなんですよ。ラッキーですね。」と声をかけて頂いて、「そんなに頻繁には来ないんだ」という冷静な気持ちと、「ああやっぱり本物なんだ」という事実とで、その後ずっとふわふわ。地に足つくどころか足に羽生えちゃってます。
しばらくして岩井さんがお帰りになるまで、じっくり展覧会を堪能したあと、私も帰路につきました。
今年の運、まだ残ってて…
写真を撮って頂いたあとに「スワロウテイルに出会ってから人生変わりました。今後の作品も楽しみにしています。」とだけ伝えたのが、私の精一杯でした。
ふと初詣で引いたおみくじを思い出し、もしかして待人って岩井さんだった?などと思ってしまって、今年の運これで全部使い切った?もう下がるだけ?と恐怖です。
でも、今までリスペクトし続けてきた人に会えるチャンスってこんなにも思いがけないタイミングなんですね。どこに落ちてるか分からない。
今回岩井さんにお会い出来たことを思えば、運なんて全部使い切っててもいいかもしれないです。(欲を言えばちょっとだけ残ってて欲しい気もする)
POP UPショップは3月3日に終了しているようです。
期間中に行けて本当に良かった!
そして帰りの電車でぼんやりと私はこんなことを考えていました。
「ああ…いつかキアヌ・リーブスに会ったときに愛を伝えられるように英語勉強しておかなきゃ…」
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