こんにちは。haruです。
毎日映画を観ることを目標に始めた日記ですが、だいぶ時間が空いてしまいました。意味ない。。。
今日は、ずっと見たかった映画だった「舟を編む」を鑑賞した記録を綴っていこうと思います。
原作を書かれたのは三浦しをんさん。
私はこの方の書く小説の不思議な世界観が好きです。「きみはポラリス」や「天国旅行」は特に三浦しをんカラー全開で、背表紙がボロボロに擦り切れるまで読みました。
なんというか、現実のことを書いているはずなのに何処か現実離れしたような感覚を読者に抱かせてくるのです。
今日はそんな三浦しをんさん原作の「舟を編む」。鑑賞後の感想をネタバレなしでご紹介しようと思います!
作品詳細
by Filmarks
監督:石井裕也 原作:三浦しをん 公開日:2013年4月13日 上映時間:133分 主演キャスト:松田龍平/宮崎あおい/オダギリジョー/黒木華
原作は先程もご紹介したとおり三浦しをんさん。
主演キャストを演じるのは松田龍平と宮崎あおい、オダギリジョーなどポスターの面々も豪華なものになっています。
ですがとにかく、主役の馬締を演じた松田龍平のハマりっぷりがすごかった…!
ボソボソ喋る感じとか、ちょっと仕事が出来ないところとか、真面目なところとか。
松田龍平って、実は本当にこんな人なんじゃないかと思わせるほどです。
そしてそんな馬締の想い人を演じるのは宮崎あおい。
筆者個人的には、良くも悪くも何色にも染まらない”宮崎あおいカラー”があると思っています。
どんな役を演じても「宮崎あおい」になってしまう不思議。
役者としてそれはどうなの…?と思うときもありますが、基本的にはそれこそ彼女の良いところで、芯がある、ブレない役者だなと思うのです。
今作でもそのカラーを良い方向に押し出してくれて、彼女の穏やかな雰囲気に支えられるシーンが沢山ありました。
あらすじ
出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。
by Filmarks
新しい辞書「大渡海(だいとかい)」――見出し語は24万語。完成まで15年。編集方針は「今を生きる辞書。」個性派ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は辞書編纂(へんさん)の世界に没頭する。
そんなある日、出会った運命の女性。しかし言葉のプロでありながら、馬締は彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。
問題が山積みの辞書編集部。
はたして、「大渡海」は完成するのか?馬締の思いは伝わるのだろうか?
感想・見どころ<ネタバレなし!>
「辞書作り」にかける人の想いと魅力
本作の主軸となるテーマは、”辞書作りにかける人の想い”。
本作は辞書作りをテーマとして取り上げた映画ですので、
「なんだか難しそう」
「辞書作りってそもそもどんな仕事なの?」と敬遠してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに辞書がどう作られているかなんて機会は滅多に無いですし、専門用語も多く登場します。
しかし少なからず筆者は、それを苦だとは思いませんでした。そういったストレスを観客に感じさせない丁寧な脚本構成が見事で、さらにところどころに散りばめられたコメディ要素に思わず笑ってしまうくらい、ただの”真面目”な作品では無かったからです。
ですので、上映時間の長さのわりにはしっかり映画に没入することが出来ます。
そんなコミカルなシーンも交えつつ、この作品を通してでないと知ることの出来なかったであろう「辞書作り」という仕事の難しさと、それにかかる時間、魅力が凝縮されていて、今年に入って初めて心の底から「観て良かった」と思う映画でした。
「だったら言葉を使わなきゃ」
心に刺さったシーンは沢山あるのですべてを紹介したい気持ちなのですが、そうすると映画のすべてをつらつらと語ることになってしまうので、中でも作中、最初に馬締の気持ちを動かしたシーンについて少しご紹介しようと思います。
辞書編集部に異動になった馬締ですが、職場の仲間と上手く話をすることが出来ません。
「僕の言葉は伝わらない。そして、僕も相手の思っていることを感じ取るのが苦手です。」
そんな相談を、下宿先の大家・タケおばあちゃん(渡辺美佐子)に相談します。
そうすると、おばあちゃんはとぼけたような顔でこう言うのです。
「相手の気持ちが分からないなんて当たり前だろう。だからその人に興味持つんだろ?だからその人と話をするんだろう?」
このシーンは、それまで馬締が逃げ続けてきた部分をピンポイントで突いていて、とても印象的です。
「辞書作りは、言葉を扱う仕事だろ?だったら、その言葉を使わなきゃ。頑張って、喋んなきゃ!」
現代、すべての物事がだんだんデジタル化してきていて、相手の顔を見て話をする機会がすごく減ってきています。そして、そもそも「正しい日本語」を使う機会が減ってきているのです。
「ヤバい」「エグい」「エモい」…このような単語は、いろんな意味で使うことが出来てしまう。しかし、何が「ヤバく」て、何が「エグく」て、何が「エモい」んでしょう?それを伝える語彙力を、皆さんは持ち合わせているでしょうか?
対面で話をしていても、顔色と伺って話をして本音が言えなかったり、上記で綴ったとおり沢山の意味で使えてしまう言葉が増えたせいで、持ち合わせている語彙数が少なくなっていたり、年々これは増えている傾向にあることを、統計なんて見なくても肌で実感します。
そんな中で「言葉」を扱う仕事をする馬締の実直な姿や、タケおばあちゃんのシンプルながら深い言葉がグサッと胸に突き刺さりました。
デジタル化が進む現代だからこそ観てほしいというのは、そういった意味でもあるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
果たして、15年かかると言われた大渡海は本当に完成させることが出来るのでしょうか?
宮崎あおい演じる香具矢に気持ちは伝わるのでしょうか…!!
全国でちらほら上映している劇場もあるようですが、サブスクでも配信されていますので、心を落ち着けたいときに是非観てみてはいかがでしょうか。
それではまた別の記事で!
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